メルセデス【S124】ポリカームでリアガラス熱線を修復
やっぱり熱線が切れていた…
このS124を買ってすぐに、貼ってあったスモークフィルムをはがしたのだが、はがしたあと残ったしつこいノリをゴリゴリ削ったらリアガラスの熱線を切ってしまっていたらしい。
肌寒い雨の日、リアガラスの曇りをとろうとしてデフォッガーのスイッチを入れたところ、熱線の上から3本めから7本めまでは曇ったままであった。
熱線補修用のタッチアップペンを探した。
以前はソフト99あたりが製品を販売していたような記憶があったのだが、いくら探してもない(のちに、発熱問題で生産中止になったと知った)。
やっと見つけたのはこちら「ポリカーム(Polycalm)導電塗料」。
京都に本社を置くプラスコート株式会社がつくっている導電塗料だ。この会社、電磁波環境問題に対処するため、電磁波シールド技術の開発、およびこの技術を応用した製品の開発を行っているらしい。なのでこの電導塗料は決してクルマの熱線補修用というわけではない。
150ml入りのタッチアップペン |
Amazonで1,600円ちょっと。ガラスの熱線のリペアに使うので、耐熱性・耐久性がどうかは未知数であるが、しっかりした日本のメーカーの製品だし、使ってみることにした。
熱線が切れた場所を探すのがわりと大変
ではどこが切れたか確認しよう。リアゲートを開けて、ガラスの内側を観察する。
ちょっと見ただけではどこが切れているか分からない |
正直、よく分らない…。
明らかに途切れているところは2か所ほどある。が、それもコンマ何ミリのはがれだった。
明らかに途切れているところは2か所ほどある。が、それもコンマ何ミリのはがれだった。
仕方がないので、まず「周りと比べてちょっと銅線が薄いところ」に見当をつけて補修してみることにした。
シリコンオフで脱脂をしてから、機能しない7本分の熱線の端をマスキングする。
ポリカームはよく振ってから、キャップに付属のタッチアップペンで塗る。案外粘度が低く、さらさらしている。色はグレーっぽい茶色で、銅線の色に近い。
安物のテスターを使う |
同じ熱線で、テストする位置によって電気が通るところと通らないところがある。
つまり、あちこち断線している場所が複数あるということだ。
写真右側(リアガラス右側)がプラス極のようだ。熱線の右側から左側へテストしていって、導通の切れた個所を見つける。塗料を塗り、そのまた左側の導通をテストする。
プラス側からマイナス側に向かってチェックを進める |
熱線は、目視では切れていなくても電気が途切れていたりする。どんどん補修を進めていく。
左端まで導通テストを終え、一通りつながったところで、デフォッガースイッチをオン。ちゃんと補修ができていると熱線はその機能を取り戻し、すぐにほんわかあったまってくる。
ポリカーム、すばらしい。
温まるガラスに癒される |
補修個所はどんどん増えていって、何十か所にも及んだ。
マスキングはがしは要注意
翌日、塗料が完全に乾くのを待ってマスキングをはずした…のだが…
無造作にベリベリはがしたら、熱線部分の塗料がマスキングテープと一緒にはがれてくる!
電気はテープ上の塗料を通る |
これはマズい。しかし細心の注意をはらってゆっくりやっても、塗料はテープにくっついてくる。脱脂が不完全だったのだろうか。
また、うまくはがせたところもどういうわけか通電していない。昨日は大丈夫だったのに…
なぜか。
ポリカームは乾燥すると柔軟性がなくなる。また、密着性はそう高くないらしい。乾くとごく薄い金属のシートのようになる。マスキングテープをはがすタイミングは半乾燥状態のときにするべきだった。
マスキングをはずしたら通電しなくなったのは、そもそも銅線上の塗料が不十分だったが、テストの電流はマスキングテープに塗られた塗料を通っていたのではなかろうか。
外側から見たところ |
というわけで、前日ポリカームを塗った箇所は1つも修復できないまま、再度の作業を余儀なくされたのである。
修復完了
塗って、乾かして、通電テスト…を繰り返し、やっとすべての補修が終わった。
遠目で見ればほとんど目立たない |
ポリカームで補修するコツは、「細く、厚く塗る」ことか。マスキングの幅をなるべく狭く熱線からはみ出さないようにして、何度も塗り重ねるといいようだ。
手間はかかるが切れた熱線は修復できる。
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