「ウォーターハンマー現象」を食い止めろ!…原因はこんなところに?

 ウォーターハンマー現象とは

ある日のこと。
2階のトイレの水を流して、それからキッチンに出ると、突然、シンクの下から「ゴツン!」と妙な音がした。
なんだろうと首をひねっている僕に、妻が「あ、それ、最近よくある」と教えてくれた。「ウォーターハンマー現象っていうららしいよ」

なんだ知ってたのか。聞きなれない言葉に困惑しながら、ネットで検索してみると、似たような情報がわんさか出てきて、また驚く。

①洗面所で顔を洗って、水道の水を急に止めた瞬間、壁の中から「ドン!」という音が聞こえた。
②全自動洗濯機を使っていて、すすぎの水が止まったとき、壁から「ガン!」といった衝撃音が聞こえた。
③トイレで用を足して水を流したら、水が止まったとたん、床から異音が聞こえた。

これらは、「ウォーターハンマー現象」と言われている。

水道の水・湯を急に止めると、流れていた運動エネルギーが行き場を失って水道管内の圧力が急激に上昇し、水道管が振動します。それが水道管の固有振動と共振して衝撃音が発生するのです。

さらに、止水栓の先では水が流れて来なくなることで水道管内の圧力が下がるため、そこに向かって水が勢いよく流れてきます。そうなると、こちらでも水がぶつかる振動や衝撃音が発生します。

この音は水道を止めた場所でだけ発生する異音ではなく、瞬間的に遠方にまで伝わり、水道の使用箇所から離れた場所で異音となることも。水道を使用している家と道路を隔てた隣家で異音が聞こえることもあります。
(クラシアンHP より抜粋)


もう一度トイレに戻って、注意深く観察してみた。

トイレの水を流すボタンを押した瞬間、3mほど離れたキッチンの足元から「ボッ!」と音が鳴り、水が自動で止まったとたんに「ゴンッ!」と衝撃音がする。
また、2階だけではなく、1階のトイレを使った際にも、小さいですが同様の音が聞こえるのだ。

1階の洗濯機を動かしても同じだった。特に、自動で水が止まるとき、大きく「ゴン」と聞こえる。

我が家は築10年の戸建てだ。こないだまでこんなことなかったのに、と不思議であったが、調べてみれば、経年変化により、だんだんと水道の配管の取り付けが甘くなって、水道管が振動するようになる、とのことだ。
なるほど。辻褄は合う。

流れる水の量を減らす(効果なし)

ウォーターハンマー対策でいちばんいいのは、そもそもの原因を取り除くこと、つまり水道管をしっかり取り付け直すことであろう。しかし水道管はほとんど壁の中に隠れているし、いきなり壁をめくって大がかりな工事をするのも現実的ではない。

手っ取り早いのは、水の量を減らすこと。水道管の中でぶつかる水の運動エネルギーを減らすわけだ。運動エネルギーは質量に比例するんだったか。

まず、トイレから。
タンクレストイレの給水ハンドルを絞って、入ってくる水の量を減らす。絞りすぎると流れなくなるので、注意を要する。


洗濯機の水栓は、全開から2分の1程度に絞った。


結果は、ほとんど効果なし。

それなら、と、外にある水道の元栓をギリギリまで絞ってみたが、残念ながら現象はおさまらなかった。

水を絞ると、ウォーターハンマー音は「全体的には」多少小さくなるが、なぜか時折、以前より大きな音が出たりして、事態の収拾には至らなかった。

ウォーターハンマー低減器1個を接続する(ほとんど効果なし)

次に検討したのは、自分で取り付けられるウォーターハンマー低減器の設置だ。
いろんなメーカーから製品が出ているが、ぼくが買ったのはサンエイ製のもの(中古)である。


中に水圧を緩衝する機構を備えていて、水道管に接続することでウォーターハンマー現象を抑えるというものだ。

取り付ける前に、外にある水道の元栓を閉めて水を止める。


こちらは2階キッチンのシンク下。


左から、給湯器から混合栓につながる温水、混合栓につながる水、浄水栓につながる水。なんとなくいちばん振動してそうな、いちばん右側の浄水栓の水道管に器械を取り付けることにした。

レンチでハンドルをはずす。


当然だが盛大に水がもれる。タオルをあてがっておいた。


ウォーターハンマー低減器を取り付ける。


できた。
低減器そのものがくるくる回って、水栓のハンドル代わりになっている。


開度は全開にしておいた。

で、結果は、というと…頻度はやや減ったものの、やはり「ゴフッ」と音がする。
また、理由は不明だが、なぜか洗濯機の開栓時(水を出すとき)の音がひどくなってしまった。

試しに、低減器を2階トイレの手洗いの水栓下に付け替えてみても同じである…


水道管の取り付け部分を増し締め(効果不明)

落ち込みながらも「あ、水道管の振動を抑えればいいのか」と思いつき、ダメもとでやってみた。

水道管の振動を抑えるには、取り付け部をしっかりさせること、ということで、取り付け金具を増し締めすることにした。とは言え、水道管はほとんど壁の中なので、試せるのはこのキッチン下の部分のみである。


ただネジを締め込むだけ。ちょっとゆるんでるかな、という気がした。


こんなんで変わらないか…と思いきや、「トイレの水が止まるとき」の音はかなり小さくなった気がする…。

ただし、依然として、トイレの水が流れるときと洗濯機の水栓が開くときは「バフッ!」と音が出る。

昇圧防止機能付き洗濯機用水栓(水を止めるときには効果絶大)

ここまできたら絶対直してやる、と入手したのが、INAXの洗濯機用水栓である。フリマアプリで3,000円で購入した。
昇圧防止、つまり、水栓閉時の水圧を制御し、ウォーターハンマーを防止する機能がついている。


取り付ける前に、シールテープを巻き付けておく。シールテープは、ホームセンターの水道関係コーナーに売っていた。
これは、必須のようだ。


先っぽは少し残して、「時計回りに」10回ほど巻き付けた。時計回りでないと、ねじ込んだときにとれてしまうらしい。

水道の元栓を閉めてから、既存の水栓を撤去した。

ホースをはずして…


水栓を開き、ストッパーを押し込んで水道管に残った水を排出する。
ジョボジョボとコップ10杯くらい出てきた。


水栓を根本から回して壁からはずす。
…これがまた、鬼のように固い!固い!


はあー…やっととれた。


ちょっと掃除。古いシール材を取り除く。


新しい水栓を取り付ける。
はずすときよりもぜんぜん楽である。


取り付け完了。


使ってみると…

水栓が閉まるとき、つまり水が止まるときのウォーターハンマー音は完全に止まった。

しかし残念なことに、洗濯中に水栓が開くときは「ブゴッ!」と大きな音が出てしまう。トイレについても、水が止まるときの音は消えたが、水を流すときの音は相変わらずである。

うーむ…

2階のキッチンは、家に張り巡らされた水道管の末端部分にあたる。いつもここから異音がするので、水道管の末端部にかかる力によりこの現象が起きていると思われる。

洗濯機の水栓が急に開いたとき、末端の水道管からみると、管内の水が急に別の場所から出ていくことになり、吸い出される力が働いて末端部の圧力が急激に下がり管が振動して音が鳴る…
ウォーターハンマー低減器と昇圧防止水栓は、水道管内の「加圧」には効果的だが、「減圧」には効かないのではないか…

…どうしたらいいのか…

意外な原因が判明!

そんなある日のこと。

2階のトイレの水を流すと、いつものように「ブフッ!」と、シンク下からイやな音が。
あぁまたかよ、と顔をしかめている僕に、妻が「あ、なんか、最近変なんだよ蛇口が」と教えてくれた。「浄水器の水が漏れてるみたいよ」


浄水用の水栓を見ると、妻の言う通り、蛇口から数秒おきに水がポタポタたれていた。あららこれはいかん、と、とりあえず浄水器用の元栓を閉めておいたのだが…
なんと、それ以降、ウォーターハンマー現象がピタリとおさまったのである!

この水漏れする水栓がそもそもの原因だったのだろうか。
水が漏れるということは、狭いスキマがある、ということで、水道管に大きな圧力の変動があると、そのスキマにより振動が増幅されるのではないか?

早速水栓を分解する。
表のカバーを取って固定ネジを緩め、レバーを取り外す。


止水栓を外す。



この止水栓ユニットの交換が必要なようだ。


型番を調べてネットで交換用ユニットを手に入れた。「KVK  止水カートリッジ KPS018」である。

右側が新しいもの。比べると、古い方は先端のゴムパッキン部分がヘタっているように見える。


カートリッジを付け替えると、やはり、ウォーターハンマー現象はピタリと止まった!

かなり回り道をしたが、やっと解決できた。まさか、一連の異音の原因が、ほんの小さなパッキンの劣化にあったとは驚きである。

コメント

Unknown さんの投稿…
拝見しました。私も現在、NUROでひかりTV視聴中で、部屋の模様替えの為、wifiルーターを用いて設定を考えてます。
何度かご記載通りやりましたが、うまくいきませんでした。
詳しく接続方法をレクチャー頂ければ助かります。

ONU→LANコードでINTERNETポート接続→WSR-1166DHP2(背面ROUTERモードON)→WSR-1166DHP2(APモード)
LANコードで背面INTERNETポート接続→チューナー

以上で間違いないでしょうか?
WSR-1166DHP2側で何か設定する必要はあるでしょうか?
AOSSボタンも押す必要もあるでしょうか?


punkmatthew さんの投稿…
返事が遅れてすいません..
私の場合、以下の通りです。
ONU→LANコードでINTERNETポート接続→
送信元 WSR-1166DHP2(背面「ROUTER」ON、「AUTO」ON)
受信側 WSR-1166DHP2(背面「WB」ON、「MANUAL」ON)→LANコードで背面INTERNETポート接続→チューナー

2台のルーターを認識させる際は双方のAOSSボタンを押してつながりました。

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