シャシーコートで旧車のサビ対策
シャシーブラック
メルセデス・ベンツS124の車検整備の際、自身もW140に乗るオカモトさんに「下回り、結構錆びてますね」と指摘された。
「海沿いだからかな。ヒマなときにでもサビ取りして、シャシブラ塗っとくといいですよ」
「…シャシブラ?」
「シャシーブラック。サビないように下回りに塗るやつ」
シャシブラとはKUREのサビ止めスプレー塗料『シャシーコート ブラック』のことらしい。塗りやすくて手軽だからDIYにおすすめだ、という。
「透明なクリアスプレーもありますよ。周りに飛んで黒くならないからいいかも」
さらにオカモトさんから、サビ取りやサビ止め・転換剤についてレクチャーを受ける。
休日、クルマの下にもぐってみる。
オカモトさんの指摘の通り、とくにフロントサスペンション部分に赤く浮いたサビが目立つ。スプリングと、ロワアーム、スタビライザーがちょっとひどい。
このあたりはもともと黒い塗料が塗ってあったようだ。ところどころ塗料が剥げて、その下に赤いサビが見えている。
左フロントサスペンション |
排気系はもっとひどかった。
排気管は全体が赤くサビている。薄く黒い塗料が残っているところもある。
触媒も、やはり全体がザラザラとしたサビに覆われている。粉っぽく残るのは銀色の塗料か。
排気系のサビがひどい |
触媒から後ろ、リアマフラー手前までは、比較的最近塗装されたと思しき銀のコートがありサビは目立たない。最後部に横向きに付いているリアマフラーは黒く塗ってあった。
今回サビ対策を施す場所は、
①フロントサスペンション部分
②前部排気管と触媒部分
③リアマフラー
の3箇所とした。
サビ落としと転換剤塗布
まずはサビ落としである。
手近にあったワイヤーブラシでとにかく赤サビをこすり落とす。古い塗装膜が剥げてバラバラと落ちてくる。シャシーコート用の塗装は膜が厚く、柔らかい。サビていない部分をこすると、簡単に塗装膜が取れていった。
フロントメンバー |
黒い塗料がとれると、元のボディ色が現れる。せっかくなので、元の姿をとどめるべくシャシーコートのクリアを塗ることにした。
ひと通りサビをブラシでこすり落としたら、赤サビ部分にサビ転換剤を塗る。
サビ転換剤は、赤サビに塗ると黒サビに変えてしまうという不思議なケミカル剤だ。黒サビになると、サビは止まるという。黒サビは、鉄の表面を熱してできると昔習った気もするが、化学に詳しくないぼくには転換剤にどんな仕掛けがあるかはわからない。とにかく赤サビには有効なものだ。
ただし、転換剤は、排気管など高温となる場所には使えない。何らかの樹脂を含んでいそうだ。
シャシーコートを塗る
翌日、錆転換剤が乾いたので、足付けをしてからサビ止め塗料を塗る。
その前に養生だ。面倒な作業だが、しっかりやっておかなくてはならない。ここで手を抜くと悲惨な目に遭う。
まずマスカーで、下周りからボディへの塗料の飛散を防ぐ。
のちにマスカーをはずしたとき、サッコパネルの塗装が一部はがれてしまった… |
さらに大型車用ビニールカバーで全体を覆った。これは周辺への飛散防止のため。
ミニバン用のカーカバー |
スコッチブライトで足付けをして脱脂までやったら前処理は完了だ。
フロントメンバーやロアアームはシャシーコートのクリアを吹いた。
見た目はあまり変わらず。当たり前だがツヤが出たくらい。耐久性に期待する。
黒く見えるのは前に塗ったであろう跡 |
排気管から触媒にかけて、耐熱シャシーコートを塗る。ツヤ消しの黒だ。
排気系は耐熱のツヤ消しブラック |
耐熱シャシーコートは、200℃ 1時間で硬化するそうだ。マフラーとリアエンドにサビはなかったが耐熱シャシーブラックで塗り直した。なんとなく精悍になった。リアからちらりと覗いたマットブラックがなかなかいい。
少しはS124の寿命が延びただろうか。
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