メルセデス【S124】室内バルブにもメルセデスの哲学が

 バルブの規格

S124の左リアドア足元灯(カーテシーランプ)が点かなくなっていた。いつからかバルブが切れていたようだ。
S124のドアの足元灯に使われているのは、俵型をした昔ながらのバルブだ。

T10 37 5W

バルブの規格は「T10 37 5W」。直径10ミリ、長さ37ミリ、消費電力5ワット、という意味の表示である。
今の時代、こんな古い電球は簡単には入手できないのではと心配したが、案外あっさり見つかった。普通にネットで売っている。

両口金タイプのバルブは、口金の直径サイズや電球の長さで、種類が様々だが、このタイプが一番多く使用されている。(KOITOのHPより)

ヨーロッパ車は長さ37ミリのバルブがポピュラーで、日本では31ミリのものが多いそうだ。

スタンレーの10個入りを購入

このあたりのランプ類をLEDに交換する方が多いようである。ただ、オリジナルのバルブが入手できないのならそれも考えるが、もとのままで維持できるのであればそれに越したことはない。闇雲に明るいワット数のバルブに変更するのも考えものだ。

足元灯とナンバー灯

ドアについている足元灯は、小さな内装はがしでレンズの両端を持ち上げると簡単に外れる。交換は、ライトユニットを引き出して、バルブを両側の端子で挟み込むだけで簡単だった。

新しいバルブを入れたところ


たかだか5Wの電球を新品に入れ替えたところで、劇的に明るくなるわけではない。まあそこがいいのだけれど。

柔らかく光る感じがいい

同じ「T10 37 5W」規格のバルブはリアのナンバー灯にも使われている。ついでに新しいものに交換しておこう。
ナンバー灯のクリアレンズはプラスねじ2つで取り付けられている。

レンズがかなり曇っている

引き出してバルブを入れ替えた。

足元灯と同じT10-37ミリバルブ

サンバイザー

サンバイザーのバニティミラーのライトには細長い「T6 36 3W」が使われている。前にバニティミラーのヒンジを補修したとき、ついでにバルブを交換した。T6のバルブが見つからなかったのでT8のもので代用したがちゃんと収まった。

バニティミラーを分解したところ。バルブはT6。

暗いダッシュボード

S124のエアコンスイッチなどダッシュボード回りには、とても小さな「T5 0.4W 」のウェッジ球が入っている。

ebayでドイツから取り寄せたウェッジ球

日本のクルマではもっと明るい1.2Wのウェッジ球が多いという。あちこち探したのが、こんな0.4Wという暗いバルブは、秋葉原の専門店にもなかった。

このS124を入手したとき、エアコンのスイッチノブだけが妙に明るかった。ワット数の大きな1.2Wの電球が入っていたからだ。点灯するとすぐノブの温度が上がっていたので溶けてしまうのではないかと心配だった。

交換前。2つのエアコンスイッチの矢印がやけに明るい

明るい方がいいからと規定より大きなワット数のバルブを入れてしまうと、熱によってパーツが溶けてしまうこともあるという。入手しづらいバルブもあるが、気をつけた方が良い。

0.4Wに交換後。温度は上がらなくなった。

それはそうと、S124のダッシュボードは暗い。現代の車と比べると、とんでもなく暗い。
いくら何でも暗すぎないか?と思うのだが、いや、よくよく考えると、夜の運転には、車内はできるだけ暗い方が安全なのではないのか。
できれば車内は真っ暗がベスト。ただし真っ暗では機器の操作ができないから、操作上必要最低限の明るさがあればいい、というメルセデスの考え方なのかもしれない。

メルセデス流ライトスイッチ

ダイヤル式のライトスイッチノブを引き抜くと、エアコンスイッチと同じ0.4Wのウェッジ球が差し込まれているのが見える。
実はこのバルブ、ライトスイッチをひねっただけでは点灯しない。それを知らなかった僕は、バルブが切れているのだと思っていた。


このウェッジ球は、リアフォグ点灯時にのみ光る。なぜだろう?

スイッチを手前に2段階引くとリアフォグが点灯する

ドライバーには、リアフォグが点いているかどうかが目視できないからだ。

当たり前だが、スモールランプや前照灯、フロントのフォグランプは点いていればわかる。しかしリアフォグだけはドライバーには見えない。メルセデスは、リアフォグ点灯中かどうかをドライバーに知らせる機能のみをこの小さなバルブに与えたのだ。
いかにもメルセデスらしい合理主義である。

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