イサム·ノグチ「AKARI」が破れたら

AKARI


イサム・ノグチがデザインした「AKARI」。
我が家の竣工以来、ずっとリビングにぶら下がっている。
1951年、長良川の鵜飼見物のため岐阜を訪問したイサム·ノグチが岐阜提灯に出会い、そしてつくられたのが、AKARIだそうだ。


シンプルで、和でもなく洋でもなく、威張ってなくて、部屋に馴染む感じが気に入っている。

リビングのメインとして据えているが、あまり高い位置にあると野暮かなと思って、吊るす高さはなるべく低く、家族みんなの頭がギリギリ届かない位置に調整していた。
数年たつと、チビだった息子がいつの間にか家族でいちばん背が高くなり、低くぶら下がる照明の下端にちょいちょい頭をぶつけるようになってきた。普通に歩いていておでこをぶつけたり、不用意にあくびをして指を突っ込んだり、人間が関与せずとも風で大きく揺れてバリッと裂けたりもする。


破れたら直す

そんなAKARIだが、公式に修理するという方法はないようだ。製造元でも新しいのを買え、と案内している。近年、シェード部分のみ販売しているのを目にするけれども、常に品薄状態で値段もびっくりするほど高い。

AKARIのシェードは、竹ひごと美濃和紙だけでできている。骨組みとなる竹ひごは複数の円ではなく、蚊取線香のように螺旋状につながる1本線だ。骨組みの表側から、美濃和紙が緯度にすると60度ごとに分割されて貼りつけてある。

実は最初、メンディングテープで破れを補修していたのだが、数か月でテープの粘着力がなくなり、はがれてダメになってしまった。
べたべた貼っていたテープをはがすと和紙も破れてこんな有様に…


AKARI は和紙でできているので、やはり和紙で補修したい。が、分厚い和紙だと補修で貼った部分が目立ってしまう。ネットでごく薄い和紙を見つけたので、今回はこの和紙とでんぷん糊で直してみることにした。


糊は水で溶いて使う。


和紙をちぎって


破れの上に重ねたら、上から糊をたっぷりしみ込ませる。


補修用の和紙は薄いのでどんどん重ねて貼っても大丈夫。
和紙の繊維を幾重にも重ねて強度を出す。グラスファイバーで補修している感じだ。


だいたいできた。乾くと和紙はしっかりする。強度は十分だ。


下から見上げると補修あとが気になるが…まあいいことにする。


もとの紙は日に焼けているので、そのうち馴染んで目立たなくなるだろう。






コメント

このブログの人気の投稿

ひかりTVは無線化できるか(できます)

キッチンの「ソフトクローズ引き出し」が閉まらないとき