Sinn のストラップを「ミモザMN-1」に交換してみた
時計のベルトは消耗品
毎日愛用している腕時計のストラップが、相当劣化してきた。
腕時計は、ひとつだけ持っている。毎日毎日使っていると、さすがに傷みは速く、今使っている合成繊維のストラップはだいたい1年ほど前に交換したのだが、もうそろそろ限界、という感じだ。
Sinn 756 には、デフォルトでカーフレザーのベルトが付いていた。しっかりとしたつくりで、革の質感も最高だったのだが、天然皮革とて劣化は同様に進み、2年も持たずにダメになった。そのあとは、純正の、やはりカーフのベルトに付け替えていた。
しかし、純正のベルトは安いものでも2万円台からで、消耗品としての交換は、ランニングコストとして現実的ではなかったので、それ以降はすべてサードパーティー製品を付けている。
時計自体がちょっとゴツいデザインなこともあり、これまで選んできたベルトは、いわゆるミリタリーテイストのものがほとんどだ。今付いているストラップは「NATO仕様」と謳うもので、果たしてホンモノの、あるいは純正の「NATOストラップ」なるものが存在するかどうかは不明だが、まあそういうミリタリーなモデルである。
この類のストラップは、だいたい、丈夫な合成繊維でできていて、汚れたらガシガシ洗える、という利点がある。そして何より、安価であるということ。これは重要だ。毎日使う道具としての時計なので、経済性は担保されないと困る。僕の場合、ストラップやベルトは消耗品という認識なので、短期間で交換する、ということが前提にある。
そんな時計用のストラップを、いろいろと物色していたところ、「お、これは」と目に留まったものがあった。
ミモザMN-1
「ミモザ」は、東京の台東区にある、時計用ベルトのメーカーだそうだ。そういえば、「バンビ」もそのあたりの会社だったような気がする。御徒町から上野界隈の、貴金属とか革製品とか、卸屋さんが多く集まるところだからだろうか。
あとから知ったのだが、このMN-1、かの大ヒットシリーズ「踊る大捜査線」で、劇中、主人公の織田裕二さんが、ウェンガー の時計に組み合わせて着用していたもので、当時はかなり話題になったとのこと。残念ながら僕は観たことがない。
僕が購入したのは、カーキ色で取付幅20mmのものである。
このモデル、ラインナップは、幅18mmと20mmで、それぞれカラーはカーキとブラックの2色。価格はいずれも税抜2,000円。お手頃である。
素っ気ないパッケージから取り出して、こんなふうに置くと、やはり本体も素っ気ない。
繊維の素材はポリプロピレン。厚みは思ったより薄く、そして軽いな、と感じた。厚さは1.2mm前後、といったところか。ウェンガーの同型のストラップは厚さ1.5mmだそうだが、そこまで厚くはない。
織りの目やステッチなど全体の質感は、お世辞にも高品質とは言えないが、無骨な安心感は伝わってくる。
留め具はすべてプラスチックパーツで、金属は一切使われていない。
尾錠はなし、ベルクロテープで留めるストラップだ。これまで使っていたストラップは、尾錠を穴に挿して留めるものだった。ストラップが合成繊維の場合、いつも使う尾錠の穴の部分が損傷しやすい、という悩みがあった。ベルクロテープの耐久性がどれほどのものかはこれから検証することになるが、これで尾錠の穴問題は解決するはずだ。
ベルクロテープは、密に植えられた毛足の詰まったもので、かなり強力だ。
ベルクロで重なる部分は当然厚みが2倍になる。見た目にまずまずの厚みになるものの、時計自体が分厚いためか、特に気になるものではない。逆に、時計の厚み感が緩和されてコンパクトに見え、これはこれでいいかもしれない。
12時側、長さ調節する部分で、目一杯縮めた状態。
僕は手が小さくて手首も細いので、ここまで縮めてやっとしっくりきた。縮めて余ったストラップの端は内側に回り込ませる。
腕に付けると、時計の裏蓋と肌の間に余ったストラップが挟まるかたちになる。これを嫌って、ストラップの端を短く切ってしまう人もいるようだ。
僕も最初はちょっと違和感があったのだが、結局すぐに慣れてきたので、このままにしておく。
そもそも長めのストラップは、洋服の上からでも装着するための仕様、と勝手に考えている。違ったらごめんなさい。
結論として、ミモザMN-1、なかなかいい。
リーズナブルでありながら、無骨で真面目。いかにも日本のメーカーの製品であった。
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