プリンは焼き菓子
プリンは焼き菓子である。
最近は、なめらかなんとか、とろとろなんとか、という、ゼラチンなどで冷やして固めるタイプの「焼かないプリン」が勢力を広げているようだ。硬めの、しっかりと焼いたプリンはあまり目にしなくなった。
型をひっくり返して皿に盛り付けた、頭にカラメルを載せた富士山型のプリン。これが正統派ではなかろうか。なめらか系、とろとろ系たちの、容器からスプーンですくって食べるスタイルも悪くはないのだが、いわゆる「プリン」のイメージとは、どうも違っている。
バニラなしでも
卵と牛乳と砂糖。これだけシンプルな材料で作れてしまう焼きプリンは素晴らしい。バニラビーンズやバニラエッセンス、生クリームなどなくとも、十分においしいはずだ。
材料は常に冷蔵庫に入っているし、簡単だし、そして経済的で何よりおいしい。プリンはスイーツの優等生である。
材料
【プリン型(小)6個分】
・卵:3個
・牛乳:2カップ
・砂糖:(カラメル用)80g(プリン液用)60g
下準備
1.オーブンを160℃に予熱する。
2.ヤカンにお湯を沸かしておく。プリンは蒸し焼きにする。オーブンで焼くときに熱湯を使うので、先に沸かしておく。
カラメルを作る
カラメルの焦がし具合は、好みが分かれるところだ。どこまで焦がすかは自由に調整を。僕は焦がし気味の苦味が好きで、大人っぽい風味はシンプルなプリンに合うとは思う。
1.プリン型と、20ccほどの水をコップに入れて、スタンバイしておく。カラメルが出来上がったらすぐに注げるよう、コンロの近くに準備する。
2.小さめの鍋にカラメル用の砂糖を入れ、大さじ1杯の水を加えて弱火にかける。
3.砂糖と水をなじませるように、鍋を揺らしながら加熱する。最初は、水が沸騰して、大きな泡がボコボコ出てくる。
4.しばらくすると、鍋底の砂糖が溶け始める。砂糖の表面はまだ温度が低いため溶けていない。シャーベット状になって、大きな泡が出てくる。
5.全体の温度が上がって、表面の砂糖も溶けてきた。全体に透明感が出て、泡が細かくなる。うっすらと色がつきはじめる。
6.泡がさらに細かくなってきて、色づきが進む。煙が出始め、香ばしい香りが立つ。
このあたりから、カラメル化の進行が速まるので、少し火加減を落として注意して加熱を続ける。
7.再び泡が大きくなって、香りが強くなる。あと一息、といったところか。焦げムラができないよう、鍋を揺すりながらさらに加熱を続ける。
8.「ここだ!」と思ったら、火を止めて、すぐにコップに用意しておいた水を注ぎ、小さな泡立て器などで手早くかき混ぜる。
※水を注ぐと、「ジュッ!」と音がし、激しく水蒸気が上がる。飛び散るおそれがあるりので、十分注意が必要。
9.すぐにカラメルをプリン型に注ぐ。時間が経つと、どんどん冷えて粘度が高くなり、注ぎづらくなるので、急いで注ぐ。
10.カラメルを注いだプリン型を、バットに並べて置く。カラメルは底の方で冷えて固まるが、最後にはプリン生地と馴染むので心配はいらない。
プリン液を作る
1.大きめのボウルに、牛乳とプリン液用の砂糖を入れたら、卵を割り入れる。
2.泡立て器でしっかりムラなく混ぜる。泡立てないが、多少泡が立っても気にする必要はない。
4.鍋を中火にかけて、鍋底からゆっくりかき混ぜながら加熱する。焼く前にある程度の温度まで上げておくと、焼く時間が短くてすみ、焼きムラになりにくい。
指をつけてみて、熱くて入れない風呂くらいの温度(50℃前後)まで温める。
プリン型に入れて焼く
1.温まったプリン液を、プリン型に8〜9分目程度まで注ぎいれる。
2.バットに沸かしておいた熱湯を注ぐ。プリン型の3分の1から半分程度の高さまで注ぐ。
3.160℃のオーブンに入れて、30分蒸し焼きにする。焼き始めのプリン液の温度によって、焼き上がりの時間は前後する。経験上、焼き時間を長くしても「す」が入ったりしたことはないので、迷ったらもう少し焼いてみる、という感じでいいのではなかろうか。
出来上がり
焼き上がりの目安は、プリン表面の水分が飛んで、プツプツのユズ肌になったくらい。
熱いうちにアルミホイルでフタをして、そのまま室温で粗熱をとってから、冷蔵庫に入れて冷やす。
翌日からが食べごろ。
プリン型から取り出すときは、爪楊枝などを型の側面に差し込んで、側面に沿ってぐるりと回して外し、皿の上にひっくり返す。
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