「異種金属接触腐食」って知ってますか?

 ステンレスのネジは錆びないが

先日、S124のエアコンフィルターを交換したときに、カウル中央部の部品をとめているネジがひどく錆びてしまっていることに気がついた。ネジは雨ざらしの場所にねじ込まれていて、まあ錆びるのは仕方ないが、ネジ山がなくなるくらいに腐食していた。

何日かしてホームセンターに寄った折、あ、あのネジ錆びてたな、と思い出したので、買っておいた。
家に帰り、クルマのボンネットを開けてさてネジを交換しようとしたところで、はっとした。

これ、ステンレスのネジじゃん!


鉄のユニクロネジを買ったつもりが、ここにあるのはキラキラ光るステンレス製のネジであった。
え、ステンレスって錆びないし、いいんじゃないの?と思いがちだが、これは絶対にやってはいけない。

異種金属接触腐食

なぜかというと、種類の違う金属を接触させると錆びやすい金属はより錆びやすくなるからである。これを「異種金属接触腐食」という。

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金属には「イオン化傾向」というのがある。「イオン化傾向」とは、水の中で単金属が金属結合から金属イオンとして出やすい順に並べたものだ。
特に水素(H)よりもイオン化傾向が下(イオンになりやすい)の金属は、空気中でもイオン化して、空気中の酸素などと結びついて酸化物を作ろうとする。これらを卑金属という。逆に金(Au)や銀(Ag)などは貴な金属、「貴金属」と呼ばれる。卑(いや)な金属は単体でもイオン化しようとするが、イオン化の違う金属を接触させると、イオン化の下位の金属はイオン化が促進される。

金属は水素を基準にすると、それぞれが固有の電位を持っている。「イオン化傾向」はこの電位の低い順に並べたものと言い換えることが出来る。電位が大きく離れている金属同士が電解質中(電気が流れやすい状況)で接触すると、卑(いや)な金属の方のイオン化がますます促進される。この現象を「異種金属接触腐食」という。

ステンレスは合金なので、イオン化列には見当たらないが、イオン化列に当てはめると銅(Cu)と同じくらいである。

(以上、ステンレス協会HPを参考に記述)

クルマに置き換えると、クルマのボディは鉄なので卑な金属、ステンレスネジが貴な金属で、クルマのボディの方のイオン化(腐食)が促進されることになる。つまり、クルマのボディの腐食がスピードアップしてしまうということだ。


アルミと鉄の関係では、アルミの方がイオン化傾向が高いため、アルミと鉄が接触している場合はアルミの白錆が促進されてしまう。

気をつけなければいけない。




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