giroflex33のガスシリンダーを交換

 giroflex33

シンプルなワークチェアが欲しくて、2010年に買ったのが、この「giroflex33」。


購入後、すぐに日本の大手正規販売店が取り扱いをやめてしまったようだ。2023年現在、すでに生産を終了している。そういえば買った当時はもう品薄になっていて、探すのにずいぶん苦労した憶えがある。

ワークチェアというのは可動機構が多いせいか、ゴテゴテ大げさな感じになりがちだ。でもこの33シリーズは、ムダをすべてそぎ落としたようなメカニズム露出のデザインで、シンプルかつコンパクト。リビングの隅に置いても馴染むカジュアルなところがなかなかいい。

そんなgiroflex33だが、10年以上を経過してさすがに疲れが出てきたようである。
座っていると、「コキッ」という小さなショックとともに少しずつ座面が下がるようになった。数分おきに「コキッ」「コキッ」と下がっていき、ついには一番下まで下がりきってしまう。
おそらくガスシリンダーが劣化したのだろう。新しいガスシリンダーに交換しなければならない。

古いガスシリンダーをはずす

このgiroflexにどんなガスシリンダーが使われているかを確認する必要がある。

支柱のプラスチックカバーを上げると、中に仕込まれたガスシリンダーが見える。


ガスシリンダーはビスなどで固定されているわけではなく、座面と脚部のあいだに差し込まれているだけだ。

まず、脚部とシリンダーを切り離すことにした。
イスを横に倒して、支柱の一番下に顔を出しているシリンダーの端を、ハンマーで叩く。


10年以上固着したシリンダーはかなり手強かった。相当な強さで、まっすぐに叩き出さなければならない。大きな音がするがひるんではいけない。
はじめはびくともしなかったシリンダーだが、10回ほど力いっぱいガンガン叩いていると、先にピストンの動く方(インナー部分)が抜けた。


次に、脚部にはまったシリンダーの外側(アウター部分)をはずす。
固着がひどいので、外に持ち出してひっくり返し、コンクリートの上に置いてガンガン叩いた。…が、叩いた面が変形するだけで抜ける気配がない。


シリコンスプレーを吹いてしばらく待つ。


待った甲斐があり、4~5回たたきこむとアウター部分が動き始め、さらに叩いてやっと抜けた。


一方、シリンダーのインナー部分はまだ座面側にくっついたままだ。これがまた固着がひどくて、どんなに引っ張ったり叩いたりしてもまったく抜けなかった。


どうしようもないので、パイプレンチを買ってきた。


レンチをかませてグイっと回すと、あっけなく一瞬で抜けた。


やっとのことで外したガスシリンダー。


新しいガスシリンダーに交換

はずした古いシリンダーの外径は、いちばん太いところで約50mmだった。
インターネットでガスシリンダーをあれこれ探したら、シリンダーの太さはだいたいどれも同じらしい。長さの近いサンワサプライのものが使えそうである。

新旧ガスシリンダーの比較。新しいものの方がアウターが長いので、やや座面が高くなるかもしれない。

下が新しいシリンダー

それは良いのだが、ひとつ気になることがある。
古いシリンダーには、先端のオレンジ色の部分にビスが打ち込んである。


オレンジ色の樹脂部分はガス抜きスイッチだ。スイッチを上から押し込むと、シリンダー内の窒素ガスがピストン内を移動することで、インナーシリンダーが上方向に押し出される。
イスの昇降レバーを操作すると金具が下向きに動いて、スイッチの頭の上のをぐっと押し込む仕組みである。


おそらく、シリンダーのオレンジ色の樹脂部分が短いため、ビスがないと昇降スイッチの金具が届かなかったのではなかろうか。ビスを打って無理やり高さを稼いだという…

仕方がないので、新品のシリンダーのスイッチ部分にドリルで穴をあけ、


古いシリンダーのビスを流用してねじ込んだ。


ということで、なんとかガスシリンダーの交換が完了したのであった。








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