「抵当権抹消」は自分でできる!

 住宅ローンが終わったら

家を買って住宅ローンを借りるとき、金融機関はその不動産に必ず「担保」を付ける。

金融機関が、将来ローンの支払いが滞ってしまったときに備えて、不動産から優先的に回収できるように付けておくのが担保である。

不動産の情報はすべて、法務局にある「登記簿」に載っている。自分が買った家の情報も、登記簿に記載されているはずだ。担保を付けるということは、該当の不動産の登記簿に「金融機関がお金を貸した」という印を書き込むことだ。

さて、住宅ローンを全部返済し終わると、金融機関は担保を付けておく必要がなくなるので、付けていた担保を「抹消」することができるようになる。

住宅ローンを借りるときは、金融機関側が担保をつける手続きを行うのだが、住宅ローン完済後の担保抹消は金融機関はやってくれない。抹消手続きに必要な書類だけをこちらに送ってきて「あとはご自分でどうぞ」というスタンスだ。

司法書士に頼まず自分で抹消登記申請をする

担保を抹消するには、必要書類を用意して法務局に「抹消登記申請」をしなければならない。
大部分の人は、登記申請なんて何のことやら、自分でやったことなどないだろう。そうすると、登記のプロ、司法書士に依頼していることになる。

司法書士に頼めば楽なのだが、当然ながらカネがかかる。司法書士に報酬を払わなければならない。司法書士報酬、交通費、通信費、印紙税など、数万円かかる。

登記申請と聞くと、専門的で敷居が高いように思えるが、そんなことはない。自分で簡単にできるのだ。


申請書類を準備する


不動産の所在によって管轄の法務局が決まっている。自分がどこにの法務局に申請すればいいか、法務局のHPなどで確認しておく必要がある。

一般に、抹消登記には次の書類が必要である。金融機関から送られてくるものと、自分で作成するものがある。


【金融機関からもらうもの】*****************************************

・登記識別情報(または登記済証)

登記識別情報は、抵当権設定時に発行されたいわゆる「権利証」である。権利者しか知らないコードが記載されているが、目隠しシールを貼って隠されている。なお、平成14年前後の登記電子化以前では、抵当権設定契約書に法務局の受付印が押された「登記済証」が権利証となる。



・登記原因証明情報

発行する金融機関によって違うが、「抵当権解除証書」や「弁済証書」というタイトルが一般的。必ず金融機関の代表者印が押印されて、いついつ完済したので担保を解除する、という内容が書いてある。また、「抵当権設定契約書」に完済した旨を直接書き込む「奥書」をして証明情報とする金融機関もある。


・委任状

金融機関の代表者の押印があるもので、登記申請手続きを委任するための書類。登記の代理人となる者の欄は空白になっている。


・金融機関の会社法人等番号

金融機関の法人登記にかかる固有の番号。金融機関から送られてくるいずれかの書類に記載があるはず。記載した書類がない場合は、金融機関の代表者事項証明書などが同封されることがある。


【自分で作成し準備するもの】*****************************************

・抵当権抹消登記申請書

自分で作成してプリントアウトする書類。法務局のHPで雛形が公開されているのでダウンロードしておく。

・収入印紙

不動産一つにつき1,000円の印紙が必要。申請時に法務局で購入できる。

・申請する人の印鑑

実印でなくても、認印で可。ただしシャチハタなどのスタンプは不可。


抵当権抹消登記申請書を作成する


ダウンロードした雛形をもとに抵当権抹消登記申請書を作成する。


①「原因」
金融機関が発行した登記原因証明情報の体裁によって書き方が変わってくるので、この欄は空欄にしておいたほうが無難だ。法務局での申請時に担当者に確認したうえで書き込むことを薦める。

②「権利者」
利益を受ける方、つまり所有者を記入する。住所を書いて、改行して指名を記入する。所有者が複数のときは全員書く。

③「義務者」
損する方、つまり金融機関の住所・法人名を記入する。法人名は、代表者名まで記入する。

④「申請日」
法務局に申請する日と、管轄の法務局名を記入する。

⑤「申請人兼義務者代理人」
申請する人の住所・氏名、連絡先の電話番号を記入して印鑑を押す。

⑥不動産の表示
登記識別情報や登記原因証明情報を参考にして記入する。
「順位」がわからないときは、空欄にしておいて申請時に法務局の担当者に聞くのが賢明である。


委任状を作成する


登記代理人の欄に、申請する人の住所・氏名を記入して印鑑を押す。


法務局で登記の申請をする

書類が準備できたら、管轄の法務局に行って登記申請をする。揃えた書類すべてを不動産登記窓口に提出するだけだ。申請人の印鑑は必ず持っていく。

どこの法務局でも、「登記相談窓口」があるはずだ。実際の申請書を個別に見てもらって間違いがあれば直してその場で申請ができる。登記に慣れていない人のための味方だ。
書類の空欄の部分はこの時に補完できるし、正しい印紙税の額もわかる。

申請すると、数週間後に「補正日」が設定される。補正日とは、申請について法務局が審査をし書類に不備があった際の修正や追加提出を行う期限日である。不備がなければ補正日で登記は完了する予定日となる。


申請手続はとても簡単

一般には「登記申請」は馴染みがなく、素人がやれるものではないと考えられているが、全くそんなことはない。ルール通りに書類を作って必要なものを用意すればいいだけである。

数万円の節約にもなる。ぜひ一度自分でやってみてはいかがだろうか。






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