メルセデス【S124】ピラートリムを(ぜんぶ)修復した

Aピラー

まずはAピラー。
ABS樹脂のピラートリム裏側には、車体側のクリップを差し込む長方形のトンネルが2箇所ある。
Aピラーのクリップの食い込みは特にキツいので、1度でも脱着すれば、ほぼ間違いなくこのトンネルは破損する。
ウチのS124もご多分に漏れず、トリムの左右ともすべて割れていた。

旧車の味方「プラリペア」と「型取りくん」を使って破損した箇所を補修する。
割れた破片でも残っていれば型をとって再生できるのだが、残念ながら何も残ってはいなかった。

型取りくんを柔らかくして、トリムのトンネルの穴になるところに詰め込む。面はなるべく平らになるように整える。


プラリペアを上から乗せていって固める。分厚くして強度を上げたいが、厚くなりすぎるとクリップが食い込まなくなるので注意。
プラリペアが硬化したら型取りくんを抜き取る。


側面を削って少しカタチを整えた。


こちらは左側のAピラー。金属製のクリップが2箇所に差さっている。このクリップを、トリムのトンネルの穴に食い込ませるのだ。
写真でわかるように、トリムを手前からフロントガラス方向にグッと差し込むめばはめ込める。


が、これがまたキツキツで簡単にはいかない。相当な力を入れて「バキッ!」とはめ込まねばならない。


正しく取り付けができると、頑丈に固定される。


Bピラー

S124のBピラーは、キャビン内の乗員に直接触れる位置にあることから、内張りに衝撃吸収のためのクッション材が仕込まれている。それはスポンジのような材質なのだが、経年劣化でボロボロになってしまうのは欧州車の常識のようだ。

Bピラーのトリムを外してみると、クッション材はすでに当初の機能を放棄して、ホロホロと崩れる粉状のモノに変わってしまっている。そもそも樹脂のトリムとカバリングの合成皮革はクッション材をはさんで接着されていたので、クッション材が粉々になればカバーがはがれてしまうのは当然である。

とりあえず、粉々になったモノを取り除いてから、ボンドでカバリングをトリムに張り直した。


取り付けにはちょっとコツがいる。
車体側のシートベルトアジャスターレバーと、位置決め用の円柱が、トリム裏側の所定の位置におさまらなければならない。

トリムのスライダーをめいっぱい上げておくのがコツ

正しく取り付けるには、以下の手順で進めるのが良い。
①Bピラートリム最下部の2つのネジを仮どめする
②トリムのアジャストスライダーをいちばん上まで上げておく
③トリムの窓から覗いて位置決め用の円柱の位置を確認し、円柱をトリムの丸い穴に合わせる
④アジャスタースライダーが上がった状態であれば車体側のアジャスターレバーも正しい位置にあるはずなので、トリムの上部のクリップの位置を車体Bピラーにグッと押し込んで固定する


Cピラー

破損がもっともヒドかったのがCピラーだ。

クリップ取付け部分は完全に破損していた。


他方は破片も残っておらず、めちゃくちゃな補修がされていた。


トリムは大きく割れて、カバリングは縮んではがれている。


クリップ取付け部分から補修する。
Cピラーのトリムは、実質このクリップのみで固定される構造だ。従って、クリップ取付け部分には非常に大きなチカラがかかるのだ。
ガラスクロスを4層に重ねてプラリペアで固めて、割れた部分を再生した。


再生した部分にクリップをつけたところ

割れたトリムはガラスクロスで手当する。


なくなったツメをプラリペアで再生。


そしてカバーを張り直す。

普通のボンドでじゅうぶんくっつく

なんとか収まった。


本来のカタチでガッチリとトリムを取り付けたら、走行中のミシミシがほとんどなくなった。なかなか気持ちがいい。



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