キャノンデール・フーリガンのリアディレイラーをリセットする方法
チェーンがコリコリ
妻が乗っているキャノンデール「フーリガン」。
変速機はシマノの「SORA」 |
先日、コンビニまで久しぶりに乗ったところ、ペダルをこいだときチェーンに「コリコリ」という感覚があった。重たい(高い)ギアにいくほどその感じが強い気がした。
乗りながら、どんどん変速をして軽いギアに落としていくと、一番軽いギア(ローギア)までチェーンが入らなかった。ギアにはまらない、というより、変速レバーを押してもそれ以上動かないのだ。めいっぱいローギアまで落とす場面は日常にはないけれど、やはりキモチ悪い。
「なんか自転車コリコリしてギアおかしくない?」
「え?そうかな。べつにギア変えないし」
もう乗り始めて10年になるか。そういえばメンテナンスらしいことは何もしていなかった。
調整が必要だ。
リアディレイラーの仕組みを学習
しばらく自転車を眺めて悩んでいた。調整と言っても、素人には何をどうしていいやらさっぱり分からない。メカメカしい変速機からは多くのネジやボルト、ケーブルが露出している。これらを回したり引っ張ったりするんだろうけども、下手に触ると取り返しのつかない事態になりそうだ。
ネットの情報にあたることにした。
多くのコンテンツが転がっている。専門用語が多いと素人にはキビシイ。ただ手順だけ書いてあっても何ために何してるのかが理解できない。手元のスイッチを動かすとケーブルが引っ張られたり緩んだりして変速させる、というのは知っているが。とにかく、変速機(リアディレイラー)の仕組みを知らなければいけない。
いくつか情報を素人なりに分析してみるに、「変速機を調整する」ってこういうことなのかなあ、というのがだんだんイメージできてきた(気がする)。
ポイントは、変速機の動く範囲を制限すること
そもそも、自転車において、変速するということは、チェーンに力を加えて別のギアにハマるようにすることである。手元の変速レバーを操作すると、ワイヤーを通じて後輪につながる変速機に力が伝わり、チェーンの位置をギアの内側に動かしたり外側に動かしたりする仕組みだ。
ギアの構造を見ればわかるように、変速機は両端のギアの間を左右に行き来している。ところが両端の位置(黄色い線)を超えて外側まで動くと、チェーンは外側に外れてしまう。
リアディレイラーは矢印の範囲を行き来する |
チェーンがギアの両側に外れないようにするには、変速機の動く範囲を黄色の線の内側に制限しておけばよい。変速機にはその「制限ネジ」が必ず付いている。
上が高いギア(写真右側)を制限するネジ 下が低いギア(写真左側)を制限するネジ |
SORAに表示はないが、多くの変速機には「HIGH」「LOW」という表示がある。「HIGH」は文字通り高いギアを制限するネジ、「LOW」は低いギアを制限するネジだ。
なんのこっちゃという感じだが、実際に調整作業をやれば、ああそうなのねと理解できるはずである。
一番高いギア側への制限をかける
まず、変速機を引っ張っているワイヤーを完全にゆるめる。ワイヤーの後端は変速機にボルトではさみこまれて固定されているので、六角ドライバーでボルトをゆるめてワイヤーのテンションをゼロにする。
次に、前出のふたつの制限ネジを、取れない程度にめいっぱいゆるめる。
これでリアの変速機は初期状態になった。変速機は、高いギアよりもさらに外側の位置まで来ているはず。
初期状態の変速機の位置 |
このままだとチェーンは高いギアの外側へ外れてしまうので、変速機の初期位置を写真右側の一番高いギアの位置に合わせなければならない。位置を合わせるために使うのが制限ネジだ。
ここでは高いギアの位置を制限するので、2つある制限ネジのうち、上の方のネジ(HIGH)を使う。このネジをドライバーで回すことで、変速機が左右に動く。
今はネジが最大限ゆるんでいるから、ネジを時計回りに締め込んでいくと変速機は写真左側に動くはずだ。
初期状態で合わせておけば、変速機がこれ以上写真右側に動くことはない |
一番高いギアとリアディレイラーが一直線になるようにネジで合わせたら、そこがリアディレイラーの一番高いギア側への可動範囲の限界となる。
ペダルを回して、チェーンがちゃんと一番高いギアにかかっているか確認しよう。
これで高いギア側への可動制限がかけられた。
一番低いギア側への制限をかける
次は、一番低いギア側(ロー側)の調整作業だ。
チェーンをローギア側に動かすのは、ワイヤーの引っ張る力である。ワイヤーを取り付ける必要がある。
ワイヤーの端をできるだけピンと引っ張りながら、取付ボルトを締める。引っ張りはじめの遊びができないよう、ワイヤーをペンチなどで引っ張りながらボルトを締める。
ワイヤーが張れたら、手元の変速レバーで変速機を動かすことができる。
ペダルを回しながら、変速スイッチを操作して、チェーンを一番低いギア(ローギア)まで移動させる。もしも一番低いギアまで動かないときは、ワイヤーの張りが足りない。チェーンを一番高いギアに戻してから再度ワイヤーをしっかり引っ張ってとめる。
一番低いギアに入った状態 |
もう分かると思うが、今度は最も低いギアの位置を制限するので、下の方のネジ(LOW)を使う。このネジもゆるみ切っているはずなので、ドライバーで締め込んでいくと変速機がハイ側(写真右側)に動く。そして変速機リアディレイラーを一番低いギアの位置に合わせる。
リアディレイラーの可動域が正しくセットされたかを確認するには、変速機全体を手でローギア側に押し込んでみるといい。
変速機を押し込んで、どこまで動くかを確認する |
変速機が一番低いギアの位置で止まれば、そこで可動域の制限がかかっているということだ。ペダルを回してちゃんと一番ロー側にチェーンがかかるか確認しよう。
仕上げ
ここまででリアの変速機の可動域の制限が完了した。これでチェーンがギアの両端に落ちることはなくなった。
最後に設定するのは、ワイヤーの張りの強さだ。
ワイヤーは、張ればチェーンはロー側へ、ゆるめばチェーンはハイ側へ、というのは感覚的にわかったと思う。なので、ロー側にチェーンが入りづらいときはワイヤーを張り、逆ならゆるめる。
この調整はワイヤー取付部の根元についているスクリューで行う。
スクリューを回してワイヤーの張りを調節 |
変速機に向かって時計回りに回すとワイヤーはゆるみ、反時計回りでワイヤーは張りが強くなる。ペダルを回して変速をしてみて、ギアの入り具合を見ながら少しずつ調節する。
これでリアの変速機の調整は終了。
変速機の仕組みさえ分かれば、案外簡単にできた。ウチのフーリガンはワイヤーの張りが足りなかったようだ。調整したらすべてのギアにチェーンが入るようになった。
でも、高いギアでコリコリ感がするのはまだ直っていない…なぜだろうか。
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