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メルセデス【S124】ロッキングアイを交換してあのドアの音を取り戻す

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ドアロックの仕組み ウチのS124のドアについて。 運転席のドアを開けるとき、ドアハンドルを引くと「カチャリ…」と小さな音を立ててかるーく開いてしまうようになった。 124の新車の状態は知らないけれど、よく言われる「金庫のような」ドアにはほど遠い状態だ。 これは、ボディに付いているドアキャッチ。メルセデスでは「ロッキングアイ」と呼ぶそうだ。 頑丈なロッキングアイ ドアを閉めると、ドア側のロック金具がメス、ボディ側のロッキングアイがオスになって互いにガチッと噛み合う。このとき、ドア側のロック金具に付いているカギ状のストッパーが、ロッキングアイの穴を引っかけてドアを保持する仕組みである。このカギ状のストッパーの力だけで、ドアが開かないように食い止めていることになる。 運転席のロッキングアイをよく見てみると、内側の樹脂部分が削られたように劣化していた。削られているのはドア側のストッパーが引っ掛かる場所で、力が集中的にかかるところである。この部分が削れていれば、ドアを閉めようとする力が弱くなるのは当然だ。 ロッキングアイを交換 124用のロッキングアイはすでに供給を終えているらしい。仕方ないので、オークションサイトで中古品を探した。 W210のロッキングアイが流用できる 124用はなぜかバカ高い値段で出回っていた。調べてみたら次世代のW210用でも適合するらしいので、2002年のW210から取り外したものを4個入手した。中古ではあるが、樹脂部分のダメージは比較的小さいものだ。 さて、交換に必要なのはサイズ40のトルクスビットだけだ。 トルクスT40 ロッキングアイを取りはずす前に、マスキングテープでもとの取り付け位置が分かるようにしておく。念のため。 ロッキングアイはトルクスボルト2本でとめられている。 リア左側 注意点がひとつ。 ボディ内部に取付プレートがあり、このプレートとロッキングアイでボディを挟み込んで固定している。なので、ボルトを2つとも外してしまうと、プレートがボディ内部に落ちて取れなくなってしまう恐れがある。 ボディ内部に固定用プレートが見える このように、ボルトを2つともはずすことがないように入れ替えた。 はずしたロッキングアイ。内側の樹脂は、上下部分両方が削れていた。 構造的には樹脂部分の下側だけが劣化するはずだが、以前のオーナーはタイヤローテーションをす...

「異種金属接触腐食」って知ってますか?

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 ステンレスのネジは錆びないが 先日、S124のエアコンフィルターを交換したときに、カウル中央部の部品をとめているネジがひどく錆びてしまっていることに気がついた。ネジは雨ざらしの場所にねじ込まれていて、まあ錆びるのは仕方ないが、ネジ山がなくなるくらいに腐食していた。 何日かしてホームセンターに寄った折、あ、あのネジ錆びてたな、と思い出したので、買っておいた。 家に帰り、クルマのボンネットを開けてさてネジを交換しようとしたところで、はっとした。 これ、ステンレスのネジじゃん! 鉄のユニクロネジを買ったつもりが、ここにあるのはキラキラ光るステンレス製のネジであった。 え、ステンレスって錆びないし、いいんじゃないの?と思いがちだが、これは絶対にやってはいけない。 異種金属接触腐食 なぜかというと、種類の違う金属を接触させると錆びやすい金属はより錆びやすくなるからである。これを「異種金属接触腐食」という。 *************** 金属には「イオン化傾向」というのがある。 「イオン化傾向」とは、水の中で単金属が金属結合から金属イオンとして出やすい順に並べたものだ。 特に水素(H)よりもイオン化傾向が下(イオンになりやすい)の金属は、空気中でもイオン化して、空気中の酸素などと結びついて酸化物を作ろうとする。これらを卑金属という。逆に金(Au)や銀(Ag)などは貴な金属、「貴金属」と呼ばれる。卑(いや)な金属は単体でもイオン化しようとするが、イオン化の違う金属を接触させると、イオン化の下位の金属はイオン化が促進される。 金属は水素を基準にすると、それぞれが固有の電位を持っている。「イオン化傾向」はこの電位の低い順に並べたものと言い換えることが出来る。電位が大きく離れている金属同士が電解質中(電気が流れやすい状況)で接触すると、卑(いや)な金属の方のイオン化がますます促進される。この現象を「異種金属接触腐食」という。 ステンレスは合金なので、イオン化列には見当たらないが、イオン化列に当てはめると銅(Cu)と同じくらいである。 (以上、ステンレス協会HPを参考に記述) クルマに置き換えると、クルマのボディは鉄なので卑な金属、ステンレスネジが貴な金属で、クルマのボディの方のイオン化(腐食)が促進されることになる。つまり、クルマのボディの腐食がスピードアップしてしまうとい...

旧車のカーステレオ問題:メルセデス【S124】

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旧車につけるカーステレオ、何がいい?  最近の車のコクピット、というかダッシュボードは、何だかもうすごいことになっている。 光の洪水である。2024年の今、メルセデスもご多分に漏れず、このスマホ化したテーマパークのような内装をクルマの売りにさえしている節がある。 一方、S124の内装はシンプル極まりない。まあ30年前のクルマである。発表当時から、そっけない内装だなと言われていた(らしい)。すべては安全性と機能性を第一に、考え抜いた末こんなデザインになりました、ということであろう。スイッチ類は必要最小限。もちろんすべて武骨な物理スイッチだ。 夜は暗い。視認性を確保するためには車室内は暗くなければならない。メルセデスはそう考えた(はず)。クラスターメーターのバックライトは思いのほか暗い。メーターの光量をゼロにまで減光できるツマミまで付いている。ダッシュボードのスイッチを表示する明かりも暗い。日本では流通しない、わずか0.4ワットの白熱球が使われている。 暗い白熱球はオレンジ色にぼーっと光る。昼間にS124のライトを点けると、内装の光は暗すぎて点いているかどうかもわからない。「アンバー」と言われるのは、琥珀のことだ。明るいところで琥珀を見れば、まあ茶色に近い。要は暗いということである。 パイオニアMVH-6600 そんなS124であるが、ここへきて、前オーナーが取り付けたと思しき1DINのCDデッキの調子が悪くなってきたので、ヘッドユニットを交換することにした。 S124のダッシュボードに最新のカーナビモニターが鎮座する絵など見たくはない。スマホがあればカーナビシステムを搭載する必要はないだろう。1DINの貴重なスペースには、音響機器だけが収まってくれれば良い。僕はオリジナル原理主義者ではないので、オリジナルのオーディオシステムに戻すことまでは考えなかった。カセットテープはまだ持っているけれど、もっさりこもったカセットテープの音を聞いて昔を懐かしむ趣味もない。 音楽はサブスクの配信サービスで聴く。となると、1DINでBluetoothに対応した機種の導入に絞られてくるが、パチンコ屋のように色とりどりのLEDがインターフェース上で乱舞するものはよろしくない。あれこれ調べてこれがベストかな、というものを選んだ。 パイオニアのカロッツェリア「MVH6600」である。 パ...