ネット通販詐欺に遭ったらどうしたらいい?【ほとんどのお金を取り戻した話】

詐欺サイトに振り込んでしまった…

つい先日(2022年5月)のことだが、いわゆるネット通販詐欺にひっかかって2万円ほどをだましとられてしまった。

『SELECT SHOP D.M.C』という、こんなECサイトがあり…

『SELECT SHOP D.M.C』のトップページ。
これは詐欺サイトです。ご注意を!
https://eaglefragrance.buzz/

ウチにあるソファの同シリーズのオットマンが欲しくて、たどり着いたのがこのECサイトだった。手頃な商品はまったく出回っておらず、見つけたときは「あった!」と喜んだものだ。

これは詐欺サイトです。ご注意を!
https://eaglefragrance.buzz/index.php?main_page=product_info&products_id=19401

かなり安かったので、急いで購入ボタンを押していた。

ご丁寧に、「購入するには会員登録を」の求めに応じて、メールアドレスとパスワードまで入力してしまった。(もちろん、詐欺サイトと気づいたあと、すぐに、メールアドレスのパスワードや他のアカウント関係のパスワードも含めすべてのパスワードを変更した)我ながら軽率極まりない。

支払い方法は銀行振り込みにした。翌日、振込指定口座の連絡がメールで届く。差出人はショップの担当者とおぼしき日本人の女性名(あとからよくよく見ると、怪しげなドメインでした…)で、指定された口座は、某コンビニ大手系の銀行の普通預金である。名義は日本人の男性名だった。

そして、なんの疑いもなくホイホイ振り込んでしまった。約2万円!

おかしいなと気づいたのは数日後である。
待てど暮らせどオットマンは届かない。振込後1週間めに担当者?の女性あてメールで問い合わせをするが、当然ながら返事はない。

もしや?とググってみると、このサイトは詐欺だ、というクチコミ情報があるではないか!まさかと思いながら商品の画像検索をしたところ、全く同じ画像が他の大手フリマサイトの商品と一致し、しかもその商品はすでに売却済みのモノだった…

愕然とした。

それから失意の3日間を過ごし、一時はもう諦めようとしたぼくだったが、やっぱり腹立たしくて悔しくてどうにもならず、何とかする方法はないかを調べる。

すると、事例は少ないものの、お金を取り戻すことができたという記事がいくつかあり、少しばかりの光が見えてきていた。
これらの記事を参考にさせてもらい、ぼくが実際にやったことを、以下でなるべく詳しく紹介することにした。

振込先の金融機関に連絡する

まず、送金してしまった金融機関に電話連絡をした。お金を振り込んでから15日めのことだ。

全国銀行協会(全銀協)では、このような金融犯罪にあった場合の電話連絡窓口を公開している。

全銀協のHPより。

すべての全銀協加盟の金融機関への連絡先が載っている。ぼくもこのHPを見て、振込先の金融機関のカスタマーセンターに電話をした。

電話をすると、すぐに担当してくれる方が出て、事情をきかれた。
「では、今回の経緯を教えていただけますか」
ざっと説明し、いつ、どこの支店の、どの預金種別で、誰名義の、どの口座番号に、いくら振り込んだか、振込人は誰か、今電話しているのは振込人本人だ、ということを伝える。

「振込の事実を確認します」と言われ2分ほど待つと、「おっしゃる通りの内容で振込の事実を確認しました」
そして、この振込口座の状況を調べてもらったところ、「すでにこの口座は凍結されていますね」

他に同様の被害の報告があって、犯罪性ありとされて口座がロックされたということであろう。
また、このロックされた口座には現在120万円ほどの残高がある、とも教えてくれた。

「残高120万円はどうなるんですか?」
「『振り込め詐欺救済法』に基づいて手続きが進みます。被害者(この口座に支払った人)から申請をしてもらい、最終的に、被害者の被害額に応じて按分して返還されます」

ネット通販詐欺は、もはや振り込め詐欺のひとつである。

「なるほど…ということは、120万円が被害総額を越えていれば、被害者には全額戻ってくる、ということですね」
「その通りです。…まだ全貌はわかりませんが」
「具体的にはどうやって申請するんですか?」
「申請に必要な書類はすぐに当行から郵送します」

被害回復分配金の支払を申請する

3営業日ほどで、金融機関から書類が届いた。


振り込め詐欺救済法は、正式には『犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配当金の支払等に関する法律』といい、平成20年に制定された。
振り込め詐欺等の犯罪により、金融機関の口座に振り込まれ滞留している犯罪被害金を、被害に遭った人に支払う手続き等について定めた法律、だそうである。

…ちょっと難解だが、つまり、ネット詐欺にあっても、被害者を救済する法律がちゃんとある、ということである。泣き寝入りはしなくてもいいのだ。(必ずすべてのお金が返ってくる、ということではないが)

手続きの流れは、以下の通りである。

①事件性の確認された預金口座を凍結する
②預金口座の権利を消滅させる
③預金保険機構のHPで該当の預金口座情報を公告(公に知らしめる)し、期限を設けて被害者からの申請を募る
④口座に残っていたお金を、申請者に分配する

ぼくの場合、金融機関に連絡した時点ですでに③のところまでいっていたようだ。
そもそも、この手続きがなされていることを知らなければ被害額の分配にあずかれないわけで、「被害にあったらすぐに金融機関に連絡をする」ことが肝要である。

ちなみに、預金保険機構による、振り込め詐欺救済法にもとづく公告はこちらで確認できる。

金融機関から届いた申請書は、記入例に沿って作成し、免許証等の本人確認資料のコピーを添付して、同封の返信用封筒に入れてポストに投函した。
「ご案内」には、本件手続きの申請期限と、分配の大まかなスケジュールが記載されていた。それによると分配は来年の2月頃、とのことで、分配は指定した自分の口座に振り込まれるようだ。

あとは、待つのみ。髙分配率であることを祈る。

被害額の90%以上が戻ってきた!


待つこと半年、金融機関から通知が届いた。


「被害回復分配金」についての決定書だ。
1万9,000円あまりが戻ってくる!
分配率は90%を超えている。

通知後2週間ほどでお金の振込が確認できた。

諦めずに手続きの申請をして本当に良かった。

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