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オリジナリティって?【XTC】

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Black Sea 高校生のとき、XTCの『Black Sea』を死ぬほど聴いた。 同級生がこのアルバムいいよ、と言うのでカセットテープにダビングしてもらった。ドラムがバシャバシャ鳴っていてカッコよかった。なんかビートルズみたいだな、と感じていた。テープがすり切れたので、地元のレコード屋でLPを買った。 何十年も経って、たまたま入った横須賀中央のブックオフで思いがけなくCDを見つけ、なんだか嬉しくなって購入したものだ。 アルバム1曲目"Respectable Street"のイントロ。アンディ・パートリッジのギターリフの中では、これがいちばんスゴイと思う。エッジが立っていて、リズムの緊張感を高める。そもそもコードがよく分からないが、カッティングの刻み方は計算しつくされている。 そこに、ヘヴィなドラムが怒涛のように追ってくるのだが、その音はU2の WAR で聴ける冷たく平たい金属音ではなく、熱を持った分厚い有機体の音だ。 アルバムは一貫して激しく狂気に満ちた音作りだけど、XTC流POPセンスは変わらない。アンディ・パートリッジのひねくれた英国気質と、それをプロデュースしたスティーブ・リリーホワイトのリズムセンスが見事にハマった怪作である。 オリジナリティなど存在しない アンディ・パートリッジはこんなことを言っていたそうだ。 「音楽って、子供のときに吸収したものの影響に過ぎない・・・この世にオリジナリティなんて存在しないんだ。あるのは、誤った解釈だけだよ」 ジョン・ライドンではないが、いわゆる「ロック」はもうなくなったと僕は思っている。よく考えればロック自体、模倣の音楽であった。ロックに限らず、ソウルもヒップホップもJ-POPだってそうだ。 今や音楽にオリジナリティなど存在しない。あるのは今までの焼き直しである。 ミュージックシーンでどうやって新鮮さを持たせるか、ということが表現者のオリジナリティということだろうか。